Number vol785 の江川卓×桑田真澄「甲子園の神に魅入られて」という記事を読んだ。
江川卓の、高校時代の成績がものすごい。
高校3年間、栃木予選で12試合に先発して、7度のノーヒットノーラン
2年の夏は、栃木県予選は、5試合のうち4試合続けてノーヒットノーラン。決勝も10回までノーヒットノーランを続けるが延長で敗退(つまり決勝戦の延長までヒットを打たれなかったということ!)
3年の夏は、5試合全て完封、3度はノーヒットノーラン、2度は1安打完封。
1年生から怪物と騒がれた江川卓をもってしても甲子園にやっと出場したのが3年春のセンバツ大会。センバツはベスト4、夏は2回戦敗退の成績である。
対して桑田真澄は高校1年の夏で優勝。5大会連続出場し、3年夏で2度目の優勝という華々しい成績である。
記事に書かれている江川卓と、桑田真澄の予選の戦い方に関するコメントが興味深い。
江川卓
「そりゃ、もう最初から全力です。だってエラーが出るかもしれないから、バッターを全部、三振に取らないと・・・前に飛ぶのが怖いんです。1点取られたら終わりという、打力では劣るチームでしたから」
桑田真澄
「大阪大会は甲子園まで7試合勝たなくちゃなりませんし、4連投もありました。甲子園でも最後は3連投になるし、それを計算すると1試合の球数を減らしていかないといけない。だから高校の頃、僕はバッターのクセとか傾向をみるようにしていました。三振よりも1球で打たせて終わろうと」
「大阪は決勝が楽。他のチームは決勝まで来ると、もうばてばてです。だからガンガン打てる。そうすると僕は楽に投げられる」
PL学園と当時の作新学院では、PL学園の方がバックが強力というのがあるが、コメントとしては対象的である。
私も長年野球をやっていて様々なチームで戦った経験があるが、監督が「自分たちは弱いのだから、行ける所まで全力で行く」と考えた時は、そのチームの思考は停止し、良い結果は生まれなかったように思える。「無欲の勝利」は無かったということである。
逆に、チームがどのような状況であろうと、果たすべき目標に対し、逆算思考で戦略(シナリオ)を考えた監督の場合は、チームの実力以上の結果が生まれたと記憶している。
思うに逆算思考で戦略を考えることにより、起こった状況に対し柔軟に変化する強かさがチームに生まれ、結果に結びつくのではないだろうか。
桑田真澄の考え方から学ぶことはまだまだありそうである。
今年の目標103エントリー まであと96