PythonユーザのためのJupyter[実践]入門を拝読しました。3人の方々はビープラウドのひとたちとも親しくして頂いてる、池内 孝啓さん, 片柳 薫子さん, @drillerさんの執筆です。
本書の構成
本書の構成を下図にまとめてみました。
図に書いたとおり、本書は大きく3つのパートに分かれています。
1つ目はデータ分析ツールについての章です。1章と2章は本書のメインツールであるJupyterLabの環境構築方法と使い方の基本を紹介しています。最終章の8章は環境構築の必要がないクラウドツールのColaboratoryの紹介です。
2つ目はPythonでのデータ分析で最も使われるpandasでのデータ処理の基本を説明しています(第3章)
3つ目は、データの可視化です。標準的ツールであるmatplotlib、matplotlibをラップして使いやすさを向上したseaboanについて説明しています。matplotlib、seaboanともにまずグラフの描画方法を説明し、そのあとにさらに使いこなす方法を説明しています。本書のコアはこの3つ目のパートであるといえるでしょう(4〜7章:合計230ページ)
Pythonでデータ分析を始めたい人が、足回りの知識を揃えるのにおすすめ
本書の読み進め方は、以下のようになると思います。
- データ分析ツール(JupyterLab)の環境を構築し、基本的な動かし方を学ぶ(1,2章)
- Pandasのデータ処理の基本を学ぶ(3章)
- グラフの可視化の基本を学ぶ(4章、6章)
- 可視化のための細かい指定方法、設定方法を学ぶ(5章、7章)
- クラウドデータ分析環境のColaboratoryについて知る
本書の特徴となる章は、5章、7章です。Excelでもそうですが、データを可視化する時に細かい指定方法や設定方法を調べていると、意外に時間が過ぎてしまうものです。そうなるとデータを分析する本質的な作業に使える時間が少なくなっていきます。 本書の5章、7章(matplotlibを使う場合は5章、seabornを使う場合は7章)をひととおり学んでおけば、データ分析の作業に使う時間を増やせるでしょう。
また本書はPythonのデータ分析の基本についてひととおりまとまっていますので、実務のときも本書をリファレンスとして手元においておけば重宝しそうです。
「PythonユーザのためのJupyter「実践」入門」は、Pythonでデータ分析を始めてみようという方におすすめの書籍です。