「Pythonプロフェッショナルプログラミング第4版」を2024年2月16日に上梓しました。
書籍の構成
書籍の構成を下図に示します。
本書は、第2章の「読みログ(読書ログを管理するWebアプリケーション)」というシンプルなアプリケーションを中心に展開しています(図中の赤い四角で示されています)。コードを書いて機能を実現する章は第2章のみであり、他の章はより品質が高く、効果的なシステム開発を目指すための内容になっています。
プロフェッショナルの開発現場のミッションと、活動から生まれる実践知
この構成をとった理由は、書籍のタイトルに掲げている「プロフェッショナル*1」な開発現場でのシステム開発が、単にコードを書くこと以上の意味を持つからです*2。
プロフェッショナルな開発現場では、動作するアプリケーションを作ることだけが目的ではありません。限られた時間、人材、スケジュールの制約の中で、長期にわたり発展し、価値を創り出すシステムを構築することがミッションとなります。
ITが現代社会の基盤として不可欠な存在になっている今、その役割の重要性はさらに高まっています。
このミッションを果たすため、エンジニアは日々、時間を節約し生産性を高める方法、安定した開発や運用を支えるための知識や技術、効率的な仕事の進め方を学び、模索し、実践しています。
さらに、チーム内での相乗効果を最大化するためのコミュニケーション手法や情報共有の技術、効果的な作業進行方法も、日々改善しています。
また、技術やライブラリ、ツールは日々更新され、新しいものが次々と登場します。これらが実際に役立つかどうかを評価するためには、ドキュメントを読むだけではなく、実際に試用し運用してみることで、その利点や欠点を理解できます。このような活動を通じて経験を積み、感覚を磨いていきます。
これらの取り組みは、エンジニアとしての価値創造の土台であり、醍醐味の一つです。
本書は、これら日々の活動と努力の成果を集約したものであり、弊社エンジニアの実践知の結晶です。
おわりに
「Pythonプロフェッショナルプログラミング」初版の企画時に、私たちはこの書籍を「ビープラウドに新たに加わったメンバーが、ビープラウドの開発プロジェクトに円滑に参加するためのガイド」として位置づけました。この目的は現在も変わりません。
しかし、弊社が長年にわたり試行錯誤を重ねてきた実践知を集約した本書は、Pythonを用いた開発が活発な現代において、広く社会にとって価値ある一冊であると確信しています。
Pythonを用いた開発に携わる方々に、本書を手元に置いていただき、実践の際の参考として活用していただければ幸いです。
イベント開催のお知らせ(BPStudy)
「Pythonプロフェッショナルプログラミング 第4版」の共著者2名による勉強会(オンライン)を開催いたします。興味のある方は、ぜひご参加ください。 bpstudy.connpass.com