顧客からの信頼はあるが、社内やチームメンバからの信頼はあまりないという人がいたとしよう。その場合、その人は永続的に活躍できるであろうか。
またある会社のサービスが、市場からは受け入れられヒットしているのだが、そのサービスを運営している会社の内部の人たち同士の信頼関係がボロボロであったら、そのサービスをよりよいものとして発展させていくことは可能だろうか。
おそらく、客や市場から得た信頼は一時的なもので、そのうち立ち行かなくなることは予想がつくだろう。
これらのことから、信頼を得るのはまず自分に近いところからと考えるのが自然であろう。
このことをスピード・オブ・トラストでは「信頼の5つの波」として説明している。
自分自身への信頼
↓
人間関係の信頼
↓
組織の信頼
↓
市場の信頼
↓
社会の信頼
このように、まずは、自分自身を信頼することから始めて、そこから順番に信頼を築いていくという考え方であり、7つの習慣で言われているインサイド・アウトを反映している。
内側から築かれていった信頼は強固なものとなり、社会から得る信頼は安定したものとなる。
これを会社にあてはめて考えてみたいとおもう。
まず、「自分自身への信頼」とは、会社にいる人たちの内面の問題である。心から自分自身を信頼できているかどうか。自分自身を信頼するには、自分が納得できる実力をつける、自分への約束を守るなどということがあげられるだろう。
次に「人間関係の信頼」とは、チームや、社内からの信頼を得られているかどうか。そのための行動ができているかどうかということである。
「組織の信頼」とは、そこにいる人たちにとって信頼できる組織であるかどうかということを示す。
スピード・オブ・トラストでは、「低い信頼しかない組織が支払わされる7種類の税金」として以下の物をあげている
・無用な重複
・官僚主義(煩雑な規則、規制、方針、手続き、プロセス)
・権力争い
・参加放棄
・離職
・離反
・不正行為
これらのことが見られるようになったら、組織の信頼が低下しているサインである。
ここまでがインサイドにあたる部分である。
「市場の信頼」とは、市場から信頼される仕事をしているか、製品を販売したりサービスをしているか、ブランドとして認知されているかどうかということにあたる。
「社会の信頼」とは、市場にとどまらず社会に貢献していてそれが認知され、信頼されているかということである。
経営者は上記のような信頼を得る順番を守り、内側からじっくりと固めることで、永続的に成功する企業をつくっていくことができる。
そのためには時間がかかることであるが、内側から信頼を築いた会社の方が最終的な到着点は高いことだろう。
最後にスピード・オブ・トラストの中でも紹介されている、元ジョンソン・エンド・ジョンソン会長兼CEOのジム・バークの言葉を紹介したい。
企業経営者達は信頼というものを再構築する必要がある。信頼なくして良い成果は得られない。信頼があれば、あらゆる障害を克服できる。誰もが誇りに思う会社を築くことができるのである。
誰もが誇りに思う会社=ビープラウドを築いていくのが経営者としての私の使命である。
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