誰でも自分のキャリアや考え方、仕事のスタンスの礎となっている仕事というものがあるだろう。
私は会社を作る前から、客先で仕事をする機会が多く、多くの一流企業の社内の雰囲気・文化を体感させてもらう中で、自分にとってどのような企業が良い企業なのか、悪い企業なのかという感覚を身につけさせてもらった。
そのいくつかのプロジェクトの中でも私の礎となっているのは、2004年7月から2年間お世話になった楽天での開発プロジェクトである。
RMSという基幹システムの再構築プロジェクトに参加させてもらったが、その時に感じさせてもらったベンチャーの雰囲気が、私を起業に駆り立てた一因といえると思う。
楽天の現場に入った当初、私は30歳になったばかりであったが、自分と同年代の人たちが、楽天というベンチャーの現場を懸命に回している姿にいたく感銘したものである。
成果に対しては厳しくお互いに切磋琢磨し、普段は同年代の仲間として楽しい雰囲気の中で仕事をする。伝統的な大企業で仕事をすることが多かった自分にとって、その姿は新鮮に映ったものである。
楽天社内には、どの部屋にもポスターが貼ってあった。
そこには「成功のコンセプト」とタイトルがつけられていて、以下のことが書かれていた。
・常に改善、常に前進
・Professionalismの徹底
・仮説→実行→検証→仕組み化
・顧客満足の最大化
・スピード!!スピード!!スピード!!
私は楽天の社員ではなく、開発ベンダーという立場で入っていたが、その現場で良い仕事をできるために、これらのコンセプトに従って自分も行動できるよういつも考えていた。
当時、内容について説明を受けたということはなかったが、その考え方が「成功のコンセプト」という書籍にまとめられている(2007年10月出版で当時読めなかったことは少し残念である)。
- 成功のコンセプト/三木谷 浩史
- ¥1,470
- Amazon.co.jp
成功のコンセプトの「常に改善、常に前進」の章には、次のように書かれている。
スタートはゆっくりでいい。けれど改善を続けていけば、必ず世の中に認知されるようになる。そして認知されるにしたがって成長のスピードは加速していく。改善の蓄積があるから、クオリティはきわめて高いものになっている。忍耐力は必要かもしれないが、諦めずに続けさえすれば確実に目標を達成できるやり方だ。
何事も、最初から成功することは希である。
未来へのビジョンを信じて改善を続けていくことで、ある時にグラフ曲線が急激に上がりブレークする。
その時まで忍耐強く改善に取り組むことができるかどうか。
それがビジネスの正否を分けるのであろう。
「継続は力なり」という言葉があるが、ビープラウドも日々の改善を粘り強く実施して行ければと思う。
今年の目標101エントリーまであと35