ビープラウド社長のブログ

株式会社ビープラウドの社長が、日々の思いなどを綴っていきます。

良いルール、悪いルール

ルールには、良いルールと悪いルールがあります。

良いルールとは、メンバーの安心が得られるルールです。ルールがあることにより、何かをするときの基準がわかるので、おもいきって行動することができます。

一方、悪いルールとは、人が問題のある行動をしないよう、あからじめ制限し縛るためのものです。

会社には就業規則というルールがあります。就業規則は会社生活を送るための基本的なルールです。

会社生活を快適にするためにも、就業規則は「良いルール」にする必要があります。

私は、就業規則をつくるにあたり、本を数冊買ってきて、かなりの時間をかけて内容を検討しました。

その結果、顧問の社会保険労務士さんに見てもらったところ「こんなに従業員寄りの就業規則はあまり見ないね」と言われたので、良いルールにできたのではないかと考えています。


 

次に、悪いルールはどのような時につくられるか。私は2つのケースがあるとおもいます。

1つ目のケースは、組織に何か問題が発生した時です。誰かが問題を起こしたときに、2度とそのようなことが起きないようにルールがつくられます。

2つ目は、組織の責任者が問題を起こさせないために、あらかじめルールをつくるときです。これは度をすぎると、働く人たちをがんじがらめにし、そのひとたちの自主性、創造性、可能性を奪っていきます。

これらのようなルールが増えると組織は窮屈になっていきます。

窮屈になると、人は逃げ出したくなります。私にも逃げ出したくなった経験が何度かあります。

窮屈な組織にならないため大事なことは2つあります。

1つ目は、個人それぞれがモラルを持ち、周りの人に信頼されるような行動をすること。

2つ目は、組織の責任者はがんじがらめに守るのではなく、重大な問題が起きないためのリスク管理と、メンバーが創造性を発揮して仕事をするための環境という、2つの面のバランスを考えることです。

それはサッカーのディフェンスにも似ています。

試合の流れを見てラインを上げて攻め込んだり、ラインを下げて守ったり。バランス感覚が重要になります。

失点を恐れてがんじがらめに守っていては、失点はしないかもしれませんが、点もとることはできません。(実際にはがんじがらめに守っても、盲点があり、失点するのですが)

私は、組織の責任者の立場ですので、バランス感覚を持ち、メンバーがのびのびと創造性を発揮できるような環境づくり、そして野放しではなく、規律のある安全な環境をつくっていきたいとおもいます。

2014年

新年あけましておめでとうございます。

昨年中は、大変お世話になりました。


新年を迎え、自分の初心についておもいかえしました。

2006年の4月。会社をつくる1か月前に「清水の舞台から飛び降りる」覚悟で、京都の清水寺を訪れました。

そのとき、さまざまな種類のお守りの中から選んだのが「開運出世御守」 

実は「出世」という言葉は、自分の中から忘れ、追い出していた言葉でした。

それは若い時代に抱いていた「出世」という言葉に対する嫌悪感から。

出世とは、会社の中で地位をあげていくこと。そのために必要な上司からの評価、評価を得るための行動。

私が20代前半の頃(1990年代後半)は、日本は、今よりも出世至上主義な世の中だったとおもいます。

良い大学に入り、良い会社に入り出世する。出世しないことはみじめなこと。私はそのような雰囲気を感じていました。

しかし、そのようなもののために行動することは、私には向かなかったし、やりたくもなかった。

そして、いつしか出世という言葉は、自分とは無縁のものとして追い出してしまっていました。

しかし、会社設立時に、清水寺であらためて「出世」という言葉に触れ、「出世」とは「世の中に出て行く」というシンプルな意味に気づくことができました。

会社をつくるなら世の中で必要とされ、認められるような存在感のある会社にしたい。

そのような思いが涌き上がり「開運出世御守」を選びました。

このようなことを思い出したこともあり、今年のキーワードは「出世」にしたいとおもいます。

会社が「世の中に出て行く」

そのための行動をやっていきたいとおもいます。

良い会社、もの、価値をつくる。そして、それがよいものであれば、その価値を世の中に広めて行く。それが経営者として出世していくということです。

今年もどうぞよろしくお願いします。

スクラム要求開発セミナーに参加してきました

12月13日に、スクラム要求開発セミナー(匠BusinessPlaceと、セントラルソフト共同開催)に参加してきました(時間9:00〜17:00)。

エビングの忘却曲線 に従い、復習しておかないと忘却してしまうので、ブログにまとめておきたいとおもいます。

セミナーは大きく3部構成。

1. スクラム入門(by セントラルソフト 林栄一さん)
2. 要求開発入門(by 匠Business Place 萩本順三さん)
3. スクラム要求開発曼荼羅(ワークショップ by 林栄一さん、萩本順三さん

スクラム+要求開発のポイントは以下の3点です(私の中のまとめ)

(1)スクラムと要求開発を組み合わせる目的:スクラムの要求に関する弱点を要求開発の手法で補うため

スクラムの要求に関する弱点とは
・プロダクトオーナーの属人性に大きく依存する
・戦略面を含めたバックログを書きにくい
・バックログの優先度が、プロダクトオーナーの頭の中に隠れている


(2)根拠のあるバックログの導出。
そもそもの価値、そもそもの要求、そして価値をもらたすためのユーザーストーリーをモデル化し、それらのモデルを根拠にバックログを導出する。

モデル化は、以下の
順で進む。

ステークホルダの導出(ステークホルダモデル)

ステークホルダーにもたらされる価値の明確化(価値分析モデル)

要求のレイヤ化/戦略の優先順位付け(要求分析ツリー)

ユーザーストーリーの導出(ユーザストーリーマッピング)

バックログの優先順位付け

(3)
プロダクトオーナーには新たな責務が生まれる
・チームをこたつに巻き込むこと
・バックログの優先順位づけの根拠をモデル(価値分析モデル、要求分析ツリー)を使って説明すること
・IT側からの価値創造を引き出す(Howからの突き上げ)こと。

最後に、セミナーに参加しての所感などです。

・1日じっくりと1テーマに取り組むのは、なかなかない良い機会。勉強会などで、萩本さんや林さんの話を聞いたときよりも、いろいろな気づきや発想が生まれた(自分自身、平日に1日セミナーに行くのは、ビープラウドつくってから初でした)

・午後のワークショップでは、実際にモデルを同じテーブルの人たちとつくりながら、思考のトレーサビリティを体験し、話を聞いてるだけでは得られない納得感を得ることができた

・経験豊富な、ベテラン講師陣(萩本さん、林さん)の人たちに直接質問したり、話したりする機会は貴重。1日セミナーだから余裕をもって話をすることができる

・価値分析モデルを基点にするとよい。そもそもそれって嬉しいの?という発想に戻ることができる。誰も嬉しくないならその仕事はやめてしまったほうがよいのだから。

・価値を考える際には、戦略やビジョンも知る必要がある。そのためには、オーナーにもこたつに入ってもらうことが重要

・価値を基点に考えることによって、戦略やビジョンがみえてくることがある

・モデルをつくろうとすると途中で頭が混乱するプロセスを経る。そこでそもそも論に立ち返ることができ、その後、混乱から脱出する事が出来る

・モデルにすると、全体像がつかめ、視野が広がり、仕事の価値を感じることができる。その結果、仕事へのモチベーションがあがる

・人の認識はだいたいずれているもの。モデルをつくり見える化することによって、認識のズレを発見し、合意形成を進めることができる

・RPDCA、PDCAを回す前にそもそもの要求(Requirement)をはっきりさせるという考え方は常に頭の片隅においておくと、とても役立つとおもう

・モデルの中では、要求分析ツリーがいちばん難易度が高いが、難易度としては、ER図でデータ設計をするレベルではないかとおもう。いろいろつくってみて、思考のパターンを確立することが大事

なごやかな雰囲気の中で、密度が濃く、様々なメリット(知識、体験、発想)を得られた充実したセミナーでした。

萩本さん、林さん、そして一緒に参加した方々ありがとうございました!

7年が経ちました

2013年5月23日で、会社を設立してから、丸7年(設立は2006年)が経ちました。

「光陰矢の如し」

多くの方々に関わって頂き、深く感謝致します。

会社をはじめたときを思い出してみると、期待半分、不安半分といった気持ちでした。

期待といえば、これからどのようなことが起こるのか、自分のやり方がどれくらい通用するのかという楽しみ。

一方の不安は、どうしてもやめたくなったり、どうしても嫌になってしまったらどうするのか、失敗してみじめな思いをしないかということでした。

会社を始めると、社員も含め、さまざまな会社や人との関わりが広がるので、社会的責任も大きくなり「嫌になったからやめます」とは簡単にはいえません。

従って「ちょっとやってみようかな」という軽い気持ちで会社を立ち上げることだけは止めよう、本当に自分は会社をやりたいのかと、何度も自問しました。

考え抜いた結果、わたしは「人生をかけて」会社を立ち上げました。

前年に婚約破棄をしていたのも、当時思い切りが良かった理由かもしれません。

人生をかけるからには、経営者として「超一流」を目指そうと決心しました。

「一流」ではなく、一流を超えた「超一流」です。

私は野球が好きですが、野球で「超一流」といえば思い浮かぶのは、近年では、イチロー選手、松井秀樹選手、金本知憲選手です。

彼らに共通するのは「毎日試合に出場し続けること」への強いこだわりです。

私のような超凡人が、超一流をめざすためにどうしたらよいか。

私は彼らをマネして「出場し続けること」を選択しました。

仕事で「試合に出場し続けること」とは、すなわち、毎日時間を守り出勤すること、体調不良で休まないことです。

時には「今日は休みたい」と思ったこともありました(今でもあります)。

しかし、休みたいと思うたびに、超一流になりたいという想いが、怠け心を叱咤しました。

連続試合出場は続けるからこそ大きな価値があるのであって、一度でも休んでしまったらその価値は振り出しにもどってしまうからです。

また、休まないための体調管理、体力づくりはずっと続けています。マラソンもそのために始めました。

その結果、まだ7年間ですが、1度も体調不良で休んだことはなく体調を崩したこともありません。

私はこの「出場し続ける意識」こそが、7年間なんとかやって来れている要因のうちの1つだと考えています。

(人生は短いという意味で)私にとって残されている時間もわずかですが、超一流を目指し(目指すのは個人の自由ですよ)、人生をかけて仕事をして行きたいとおもいます。

移転しました2013

4月21日に、会社を移転しました。

住所は、東京都渋谷区千駄ヶ谷5−32-7 です。

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ロケーションは、新宿の高島屋、紀伊国屋の裏側、明治通り沿いで、最寄り駅は新宿駅(新南口)、代々木駅、新宿三丁目駅です。(それぞれ徒歩5分程度)

今までのオフィスを簡単に振り返ってみたいとおもいます。

1. 東京都中央区日本橋箱崎町(2006年5月〜)


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創業時のオフィスです。写真はありませんが、間取り図はあります。私の家=会社でした。開発サーバーも置いてありました。


2. 東京都渋谷区広尾1丁目(2007年8月〜)


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オフィスとしての物件をはじめて借りました。当初、知人の会社と共同で借りましたが、途中からビープラウドのみとなりました。2009年3月末まではオフィスに誰もいない状況(夜に私が契約書作成などで戻る程度)でしたが、2009年4月からは、持ち帰り案件などを自社で開発するようになりました。

BPStudyを始めたのも、このオフィスに移転して2ヶ月目(2007年9月)からです。ビル内にある貸会議室で始めました。

3. 東京都渋谷区恵比寿2丁目(2009年9月〜)


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リーマンショックの衝撃が残る中でしたが、社会に同調して縮こまってても仕方ないので、オフィスを移転しました。社員の積極採用も進めました。12、3人が入れるオフィスでした。


4. 東京都渋谷区恵比寿西2丁目(2010年1月〜)


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恵比寿二丁目のオフィスが、またたく間にいっぱいになってしまったため、その先の可能性を広げるためにもこのオフィスに移転しました。島が2列になり会社っぽい雰囲気になりました。東日本大震災があったのもこのオフィスです。震災直後にNHKの取材が来たり、思い出深いオフィスです。

5. 東京都渋谷区代々木1丁目(2011年4月〜)


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会議室が独立した部屋としてある(しかも2つ!)初めてオフィスとなりました。前のオフィスから2.5倍以上面積が広くなり(家賃も倍!)、東日本大震災後で世の中がどうなるか分からない中、一大決心で移転したオフィスでした。中庭もあり、業務の合間にラジオ体操が気持ち良くできました。この中庭でスズメバチに刺されました。

6. 東京都渋谷区千駄ヶ谷5丁目(2013年4月〜)

今回移転したオフィスです。


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執務スペースが代々木時代より広くなり、まだまだ余裕があります。窓から新宿御苑の緑が見え、癒されます。写真の奥にも緑がみえるかとおもいます。春は桜でいっぱいになりピンクになるそうです。


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広い方の会議室です。48インチのディスプレイも導入しました。ホワイトボードも3つあります。



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小さい方の会議室です。こちらにも48インチのディスプレイを用意しています。

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会社を拡大移転したばかりの時期は、経営者の器、会社の器よりも、オフィスの大きさ(費用、面積)が上回っている状態のため、経営者にとって精神的なプレッシャーや恐怖となることもあります。

しかし、プレッシャーを恐れ、現状にとどまろうとしていたら、 成長はありません。

私は従来慎重な性格ですが、経営者としての自分は、恐怖によって現状にとどまろうという意識だけは捨てるようにしています。個人の恐怖心が会社に影響を及ぼすようなことがあっては経営者失格なので。

「経営者の器以上に会社は大きくならない」という言葉がありますが、経営者の器がそのオフィスに見合うように成長すれば、会社もそれに伴って成長します。

経営者にとっては大変ですが、このプレッシャーが成長の原動力となります。

一方、会社は大きくすれば良いというものではありません。

経営者の器以上に会社を拡大してしまうと、コントロールが利かなくなり、会社は破綻してしまうことでしょう。また会社にとっての時期が悪ければ待つという選択も大事でしょう。

このバランス感覚を研ぎすまして、自分も会社も成長させていければと思います。

シンプルなオフィスですが、近くにお越しの際(新宿高島屋や東急ハンズ、紀伊国屋に買い物など)は、是非お気軽におこしください。

2012年

2012年の前半にあったことなどを思い出すと、随分過去のように思えるので、長かったと感じますが、その逆に日々はあっというまに過ぎ去るという1年でした。

今年は、会社として「Python Professional Programming」を出版することができたのが大きな収穫です。

自分たちのやってきたこと、ノウハウをかたちにし、社会に示せるということは、素晴らしいことです。

会社としても、個人としても、昨年、今年と色々模索してきましたが、少しずつですが道筋が見えてきました。

来年以降、焦らず、投げ出さずしっかりと取り組んでいきたいとおもいます。

今年も多くの方々にお世話になりました。

来年以降、さらに経営者として努力し、社内の環境充実、そして社会の役に立てるよう励んでいきたいと思います。

みなさま、良いお年をお迎えください。

松井秀喜選手引退

先日、松井秀喜選手が引退を発表し、20年間の選手生活にピリオドを打った。

松井選手は私と同年齢であり、高校時代から甲子園で活躍していたので、常に注目していた。

何年か前に「不動心」という松井秀喜選手の著書を読んだ。

その著書の中で一番心に残ったのは、松井選手が「平常心」を大事にしているという箇所である。

打ちたいと強く願う気持ちよりも、400打席を同じような心境で打席に入れるかどうか。

チャンスだからと意気込んだりするよりも「平常心」でいられるかどうか。

それが結果を左右すると。

人間なので、イライラしたり、落ち込んだりすることはある。

また、ケガをしたり、スランプに陥ったりすることもある。

しかし、松井選手はそれを表に出さず、自分自身をコントロールする事に集中した。

それはトータルで結果を出すためである。

「心の構え」で挫折は力に変わる


本の帯に書かれたこの言葉を、心に留めておきたいとおもう。

松井選手おつかれさまでした。

今年の目標30エントリー まであと1