(その7から続き)<その1へ>
今にも止まりそうなゆっくりとしたペースで浅草寺の雷門を右折し、吾妻橋方面に向かった所でスカイツリーがぼんやりと視界に入ったが、みている余裕なし。そのまま、蔵前、日本橋方面に折り返す。
今にも止まりそうなゆっくりとしたペースで浅草寺の雷門を右折し、吾妻橋方面に向かった所でスカイツリーがぼんやりと視界に入ったが、みている余裕なし。そのまま、蔵前、日本橋方面に折り返す。
28kmの関門を通過し、残りあと14.195km。果たして完走できるのか。
そのままノロノロと走っていると小さな橋があり、わずかな上りとなっていた。そこで初めて歩いた。
500mくらい歩いて立ち止まった。
右足のふくらはぎをかばっていると、右足のももが張って来た。右足をかばっていると、今度は左足全体が張って来る。両足は完全にぱんぱんに固まった状態となった。
しかし、まだ完走をあきらめるわけには行かない。ぱんぱんになった両足をこぶしで強く叩くと、痛みが麻痺して走れるようになった。とぼとぼ走り始めると30kmの関門を通過。ここで予定通り持っていたエネルギーゼリーを飲み、直後の給水地点でアミノバリューと、水をがぶ飲みした。
31km・・・32km・・・33km・・・34km。
1kmごとが果てしなく遠い。
浅草橋から人形町、日本橋、銀座通りと、とぼとぼ走って歩いては止まる。足をこぶしで叩いては走る。それを何度も繰り返した。
その間に、何百人ものランナーが自分を抜いて行く。
老若男女入り乱れて走っていく光景は、民族の大移動を彷彿させた。
老若男女入り乱れて走っていく光景は、民族の大移動を彷彿させた。
ぞろぞろと私を抜いて行く人たちの中には、60歳を超えたような女性の姿もみえた。
「あんたらは鉄人か!日本の未来は明るい!!」
などと考えているこの頃になると、1kmに15分くらいかかっている感覚であり、トータルの時間もわからなくなっていた。
5時間かかろうが6時間かかろうが最後まで行こう。
そう思いながら、打ちひしがれた気持ちで銀座通りを通過。
これが34km過ぎである。(続く)
今年の目標30エントリー まであと21