ビープラウド社長のブログ

株式会社ビープラウドの社長が、日々の思いなどを綴っていきます。

勉強会で話すと何が良いのか〜Developers Summit 2017 Summerで登壇しました

7月28日に開催されたDevelopers Summit 2017 Summer で、「コミュニティを長く続ける秘訣」というセッションでお話させて頂く機会をいただきました。

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BPStudyは、2017年8月の開催で、丸10年(2007年9月開始で、12か月☓10年=120回)になるということで、BPStudyをテーマに発表しました。

セッションで話した中でも「勉強会で話すと何が良いのか、どのようなことを話したら良いのか」ということをあらためてブログに書きたいと思います。

このエントリーが、勉強会でこれから発表してみようと思っている人のヒントになればと思います。

私が言いたいことを、少しおおげさにいうと「勉強会で発表すれば人生が変わる」ということです。

そのように思うようになったのは、私が勉強会やカンファレンスなど人前で発表することを繰り返してきたことによって、以下のような経験をしたからです。

  • 自分の経験やノウハウがカタチとしてまとまり、自分の財産になり活用できた
  • カタチとしてまとまったことが土台となり、更に新しい発想につながった
  • 発表を聞いた人や、スライドを見た人から新たなオファーがあるなど、自分の予期しないところで、さまざまな効果が生み出された

勉強会で話すためのポイントを3つお伝えします。

ポイント1 やりたい→やるへの変化(心が変わる)

勉強会で発表するには、まず自分が発表しようと思い立つところからです。

「いつか発表したい」と思っていても、その時は永遠に訪れません。

「やりたい」から「やる」と決心した瞬間が、人生が変わるスタート地点です。

ポイント2 話すテーマ

勉強会で話すといっても、話すことがないという人もいると思います。テーマを見つけるコツをお伝えします。

視点を変えるとネタが生まれる

日頃の自分の取り組み、環境、経験などは、自分にとって当たり前になっていて、平凡に思えるものです。

人それぞれにさまざまな個性があり、まったく同じ人はいないのと同じように、まったく同じ仕事やチーム、プロジェクトは存在しません

自分の環境やそれまでのキャリアから、人に伝えると役立つものはないか考えてみましょう。

客観的な視点で見つめてみると、ヒトに伝えるネタが生まれるものです。

本に書いてない内容を話す

テーマは本に書いてない内容が良いでしょう。本に書いてあることを説明するだけなら、本を読んだり、Webの記事を読めば良いからです。

本に書いていない内容とは、たとえば以下のようなものです。

  • やってみてどうだったか、実際のところどうなのか?
  • やってみて得た知見
  • チームに導入してチームメンバーの反応はどうだったか
  • 技術の発表されたばかりの最新情報
  • コツ・独自の理論

コミュニティの運営経験、初心者が初心者なりに苦労した話、若手が若手なりに苦労した話、他の人は詳しくないが自分は詳しいこと、異なる分野同士の組み合わせ(掛け算)などもよいでしょう。

ポイント3 勉強会で話すメリット

3点目に勉強会で話すメリットをお伝えします。

スキルアップと財産づくり

発表する1番のメリットは、自分の暗黙知が形式知になることです。

暗黙知とは「経験や勘に基づく知識のことで、言葉などで表現が難しいもの*1」です。

暗黙知が暗黙知のままでは人に伝わりませんし、自分でも認識が難しいものです。

人に伝えようとして、なんとかカタチにしようとすることで、半ば強制的に暗黙知が形式知に変わります

自分の中の暗黙知を絞り出し、形式知にするのは最初はとても時間がかかります。

しかし、何回か発表を重ねていくと、知識のベースがあるので時間が短縮されます。

形式知は自分の財産となり、何度も再利用可能になり、かつ思考の土台になることでしょう。

登壇依頼が来ても、割りと気軽にOKすることができるようになります。

ただし、私は同じようなテーマで登壇依頼が来ても、必ず内容を最新のもの、その場にあったものにバージョンアップして、同じスライドで話さないようにしています。その方が自分にとって成長があるからです。

自分の強みや世の中のニーズが分かる

勉強会で発表をすると、聞いている人の直接の反応をもらったり、Twitterでの反応が大抵あります。

このようにフィードバックを得られると、自分の強みや、世の中でどのような情報が必要とされているかなどのニーズが見えてきます。

プラスのフィードバックは自分の自信につながりますし、マイナスのフィードバックは自分を見直すきっかけにもなります。

自分の強みと社会のニーズを知ることにより、自分は何に力を入れていくべきか、立ち位置はどこか、などが見えてくることでしょう。

自分の新しい可能性が見えてくる

IT業界は「話を聞く」側から「話をする」側になるための参入障壁がとても低い業界です。

さまざまな勉強会がありますし、まずはLTで話し、実績を積んでいくことであるジャンルでの権威としてのポジションを築くことができるかも知れません。また、それらをきっかけに、人のつながりができたり、新しい可能性が見えてくることもあるでしょう。

ただし、これは勉強会で話す副次的効果です。勉強会で話すことの第一の目的は、自分のスキルや経験を他の人に伝えることや、自らのスキルアップに置きましょう。

話をする多くの場はコミュニティなので、自分の名声やポジションを第一の目的にすると、それが見え透いてしまったり、人間関係を壊してしまうなど、ろくなことがありません。

まとめ

勉強会で話すまでのポイントとして、(1)やりたい→やるへの変化(心が変わる)、(2)話すテーマ、(3)勉強会で話すメリットについてお伝えしました。

このエントリーが勉強会で発表してみようと思う人にとって、ヒントになれば幸いです。

日々、人はさまざまな経験をして学習し、それを暗黙知として蓄積しています。自分の仕事での経験、勉強していること、興味をもっていることで人に伝えられることがないか考えてみましょう。必ず見つかるはずです。

そのためには、社内でも社外でも仲間内でも勉強会で話そうと思い立つことがスタート地点です。そのためにはLTに参加登録して話すことを確定させてから、内容を考えるのもおすすめです。

自分の知識・経験・知見をカタチにして話すことによって、人に伝わり、それを繰り返すことによって、自分でも予見できないようなことが起こることでしょう。

BPStudyでも登壇者を常時受けつけていますので、Facebookのメッセージで私宛までご連絡をいただくか、Twitter:@haru860でDMもしくは、リプライをいただければと思います。

発表スライド