ビープラウド社長のブログ

株式会社ビープラウドの社長が、日々の思いなどを綴っていきます。

アジアカップ2015 日本代表観戦記

サッカーアジアカップの日本代表の試合を全試合テレビ観戦した。

日本代表のサッカーの観戦記を書くのは2010年W杯(日本代表はベスト16進出)以来である。

PK戦の末、ベスト8で破れた対UAE戦。

一番印象に残ったのは、柴崎岳選手(22歳)である。

今大会は、2014年のW杯のメンバーが23人中、13人も選ばれていて、そのうち10人の選手がスタメンで出場(本田、岡崎、香川、長谷部、遠藤、長友、森重、吉田、酒井、川島)し、チームとしての完成度は高いといわれていた。

しかしみていて、たしかに「うまい」かも知れないが、全体的にスピードがないように思えた。

それはどこから来るのだろうか。

大会を通じて攻撃の起点となった遠藤選手は、ボールを受けると1回周りを見渡し、パスを出しているように私には見えた。

パスを受け、あたりを見渡している間に相手は身構えることができる。

相手ディフェンス陣は、もし裏をつかれても他の選手がカバーできる。そのため、ぎりぎりのところでゴールにつながらない。

一方、遠藤選手の代わりに後半から出場し、攻撃の起点になった柴崎選手は、ボールを受けると素早くパスを出しているように見えた。

素早くパスを出せば、相手は虚を突かれる。慌てて、後手後手に回る。

ミスをする可能性も上がるだろうが、パスがつながった場合はチャンスが広がる。

柴崎選手はリードを許している中で後半から出場し、数々のチャンスを演出し、同点ゴールも決めた。

柴崎選手のプレーで思い出したのが「敏」という言葉である。

「敏」は「論語」に出てくる言葉で、「仁」(立派な人格)をなすための5つのおこないのひとつである。

敏、すなわち臨機応変に機敏に実行できれば、功績があがる

チャンスに俊敏に動くのか。1回周りを見てから動くのか。

厳しい世界でチャンスをつかむか否か(サッカーの場合、得点を奪えるか)は、紙一重の差でしかなく、この一瞬で結果が変わってくる。

「敏」を、仕事の場面で考えてみる。

お客様からの質問事項を「自社に持ち帰って、追って回答します」(時にもったいぶって)というのはよくみる光景である。

しかし、これでは「敏」とはいえない。

お客様は、こちらの回答を「待つ」ことになり、そのあいだはプロジェクトを進められないということも多々あるからである。

逆に、そのような場面で持ち帰らずに、その場でなるべく判断して回答するのが「敏」である。

その結果、お客様はミーティングを終えたらすぐにプロジェクトを進めていくことができる。

また、社内においても、社員からの質問や、判断、意思決定を求められた場合は「後で回答する」ではなく、即答する。それにより、社員はすぐに行動できる。

つまり、自分でボールを長い時間保持するのではなく、俊敏にパスを出していくのである。

仕事ができるようになってくると、無意識に失敗をしないように、無難にこなそうとして、若い時はもっていた「敏」を失ってしまう。

チャンスをつかみ、結果を出すための「敏」を忘れずに、日頃の意思決定や行動をしていきたいと思う。