ビープラウド社長のブログ

株式会社ビープラウドの社長が、日々の思いなどを綴っていきます。

W杯日本代表の観戦を終えて 2010

日本サッカーは「世界で勝つ」という目標を目指してきた。

そのための長年(10年以上?)の課題が「決定力不足解消」である。

目指していたのが、高い位置(相手のゴールに近い位置)でボールを奪い、そのまま得点するという攻撃的なサッカー、そして守備と攻撃が連動した組織的なサッカーである。テレビをみていても耳にたこができるほど聞いたフレーズである。

攻撃的な戦術のデメリットは、守備陣の裏のスペースができやすくなることである。

守備陣の裏のスペースで、相手選手は能力を発揮し失点につながっていた。

守備に気を取られると、攻撃陣と守備陣の距離が空き、組織的な動きができずに、攻撃もつながらない。

この守備と攻撃の狭間で、目指すべき理想の姿に辿り着くことができず日本チームは混乱していたと思われる。つまり目指すものが高すぎて合わなかったのである。

それを日本代表は大会直前に「守備重視」のスタイルに変えた。

守備を重視したことにより、相手にとっての攻撃スペースができにくくなった。

強いチームにも攻撃力を発揮させず、不用意な失点をしなくなった。

さらに守備重視の副産物は、攻撃陣と守備陣の距離が縮まり、運動的な面、心理的な面で余裕ができたことであろう。

ひたすら走らなくても、長年目指していた組織的なサッカーができるようになったのである。

組織的なサッカーは、相手陣地を切り崩す可能性を広げ、大きなチャンスを生む。

守備を重視した反面、ボールを奪ってから相手ゴールまでの距離は遠くなる。しかし、攻撃的になった相手陣地はスペースが多く、攻撃力の低い日本選手にも得点のチャンスが生まれるようになった。

守備重視のデメリットは、ボールを奪う位置から、ゴールまでの距離が遠いので攻撃の選手は長い距離を走らざるを得なくなり、消耗が激しくなることである。

そこは攻撃型の選手を複数用意し、選手を交代させ攻めるのが良いだろう。選手を交代させることにより、攻撃のリズムが代わり、相手をかく乱させ得点の可能性が生まれる。

今大会の日本チームの敗退の原因を上げるとしたら、守備重視に変えるのが遅すぎたということだろう。

あまりにも時間がなかったために、守備でボールを奪った後の攻撃のバリエーションが少なすぎた。バリエーションが少ないために、攻撃は精度を欠き、ゴール近くになると力のない無謀なミドルシュートを打つ場面が目立った。また岡崎、玉田、中村憲剛など攻撃的な選手を投入しても、攻撃のパターンはあまり変化がなく、大事な場面での得点につながらなかった。

今大会の収穫は、守備重視のサッカーが日本に向いているということを発見したことだろう。守備を重視すれば、相手に能力を発揮させず、組織的なサッカーができ、攻撃のチャンスも生まれる。攻撃は1人のエースに頼るのではなく、足が速く速攻が得意な選手を複数人育て、バリエーションを増やし、誰かが得点を奪うというスタイルが良いだろう。

日本代表チームは攻撃的サッカーという「背伸び」をやめ、地に足がついた守備重視のサッカーで予想以上の結果を出した。

W杯のあと新監督が決まり、しばらくすると代表戦がはじまると思うが、どのように日本サッカーのレベルが上がっていくのか、次のW杯まで続けて注目していきたい。

(サッカーを観ることは全く素人であるが、今回は、テレビ観戦を通じての感想を残しておく)

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