「中日ドラゴンズセリーグ優勝〜その1」「中日ドラゴンズセリーグ優勝〜その2」からしばらく間が開いてしまったが、日本シリーズが終わらないうちに書き進めようと思う。その2で、優勝要因を5つ挙げた。
・井端、荒木のコンバート
・堂上直倫のレギュラー起用
・山本昌のローテーション復帰
・若手外野手の競争(2ポジション)
・伏兵小田幸平の存在
今回は1つ目の「井端、荒木のコンバート」について書こうと思う。
このコンバートは、2010年のシーズンを迎えるに当たり実行された。ショート井端をセカンドに、セカンド荒木をショートにというコンバートである。実はこのコンバートは2009年にも試みたが、結局もとのポジションでシーズンを戦っている(荒木はスイッチヒッターにも挑戦した)。
セカンド荒木・ショート井端と言えば、落合監督が就任した2004年〜2009年の間、ゴールデングラブ賞を6年連続で獲得し、球界一の二遊間として知られている。これをあえて入れ替えようとするコンバートである。
ショートにコンバートされた荒木選手。思うようにことは運ばなかった。5月までに13失策。特にスローイングで苦しんだ。エラーを続ける荒木選手をみてメディアやファンからの批判もちらほら聞こえてきた。
ここからは私の推測だが、このコンバートは2つの効果を狙ってのものではないかと思う。1つ目はチームのリスク管理、2つ目は選手の寿命を延ばすという狙いである(コンバートの本当の理由は公には明かされていない)。
まずチームのリスク管理という点についてである。
井端選手は2009年にも全試合出場を果たしたように、2004年に落合監督が就任して以来、ほぼフル出場を続けている。その間ケガがなかったわけではなく、ケガをおしての出場を続けている。
35歳という年齢を考えても、そろそろガタが来てもおかしくない頃である。そのため、ショートよりも体の負担が少ないセカンドに井端選手をコンバートし、もし井端選手が故障で抜けた場合もショートの井端選手が外れるよりも、セカンドの井端選手が外れた方が、チーム力のダウンは低いと判断してのことではないだろうか。
実際、井端選手が7月に戦線を離脱し、高卒4年目の堂上直倫選手をセカンドに抜擢しその穴を埋めチーム力を落とさずに済んだ。これがショートのレギュラーが抜けたとしたら、事態はもっと深刻だったに違いなったに違いない。
次に、選手の寿命を延ばすという点について考えてみる。
荒木選手は32歳でそろそろ方が衰えてきてもおかしくない年齢である。ポジションの動きでいえばセカンドよりもショートの方が遠投の機会が多い。32歳というこの時期に遠投が多いショートにまわることによって、体を強くし、選手寿命を延ばすことを狙ったのではないだろうかと私は考える。一方、ショートというポジションで体を酷使してきた井端選手は負担の少ないセカンドを守ることによって、いったん体を休め、選手寿命を延ばすことを狙ったのではないだろうか。
ここに書いたことはまったくの推測である。いままでの落合監督の采配をみていると、1年だけの戦力・配置ではなく、長いシーズンそして、数年間の戦いを見越したコンバートだったのではないだろうかと思うのである。いつかコンバートの真相を知りたいものである。
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