ビープラウドのサイトの経営理念のページに「ビープラウドの価値観」が21個書かれています。
今回は「フラットで敬意をもった人間関係をよしとする。そこには偉い人間や上下関係は存在せず、あるのは役割のみである」について書きたいと思います。
なぜ会社には上司、部下があるのか
「あらゆる対人関係は『縦』ではなく『横』の関係にあり、人と人とは対等である」
人と人が対等であるとするなら、なぜ会社には上司や部下のような上下関係があるのでしょうか。
理由のひとつとして私が思うのは「上」に立つ人が楽だからです。
「上」であれば「下」の人に、立場を使って従わせることができます。
しかし「下」の人が「上」の人に意見をいうことは、「上」の人が「下」の人にいうよりもパワーが必要です。
常にパワーを出し続けることは大変なので、組織は「上」の人がいえば「下」の人が従うという構図になっていくでしょう。
そのような状態が長く続けば、「下」の人は意見も言わなくなり、言われたことだけやるようになります。
会社の事業が型にはまった決められた仕事であれば、このような仕組みで従わせればよいと思います。
しかし社会の価値観は多様化し、より複雑になってきています。
そのような社会では、ある偉い人のアイデアよりも多様性のあるメンバーから生まれたアイデアをそれぞれの専門を活かしてカタチにしていくことが求められます。
上下関係で支配している組織では、部下は「無力化」されているので、価値を創り出すことは難しくなります。
一方で、「下」にいる人も楽なのかもしれません。
なぜなら「上」の人がいったことに従っていれば、自分で考える必要がなくなるからです。
失敗しても「上の人が言ったから」と逃げることができます。
しかし、そのような状態は短期的には楽ですが、本人の実力はつかず自分では何も考えられない、判断できない人になっていくでしょう。
今までの話を以下にまとめます。
- 「上」の人は「下」の人に立場を使って、従わせることができる。長期的には「下」の人は無力化する
- 「下」の人は「上」の人のいうことを従っていれば楽。長期的には「下」の人は無能化する
- こうして、無力化、無能化したひとたちがつくられ、会社は価値を創り出せなくなる
これが私が考える「会社に上下関係をなくしたほうがよい理由」です。
価値観が多様化した時代、価値を創り出すには上下関係は邪魔でしかありません。
ビープラウドではどうなのか
ビープラウドの会社ホームページのトップには以下のように書かれています。
株式会社ビープラウドはソフトウェア開発のプロフェッショナル集団です。 日々研鑽した知識・技術・創造力とチーム力で、アイデアをカタチにし、価値を創り出します。
この言葉が示すように、ビープラウドではよりよい価値を創り出すことを目指しています。
働きやすい組織をつくるのも、よりよい価値を創り出すためです。
先ほど書いたように、価値を創り出すには上下関係は邪魔でしかありません。
そのため、ビープラウドでは上下関係はつくらず、役員も含めてフラットな関係を築けるように気をつけています。
そして、自分では何も考えられない人をつくらないよう、なるべく自分で考え判断してもらうようにしています。
上下関係を連想させる不要な役職もつくっていません。
そして、会社のメンバーには「社長のアイデアも、1つのアイデアでしかない」と思ってもらえるように、コミュニケーションなどを気をつけています。
とはいえ、社長の発言は単なる1発言ではなく注意をひきがちなので、その言葉にも「一理ある」と思ってもらえるように、日頃から勉強を続けることを心がけています。
フラットな中にも、敬意をもった人間関係をベースに
フラットに自由に話し合えればそれでよいわけではありません。
敬意がない言葉を投げつけあってるとしたら、価値を創るどころか雰囲気は悪くなり逆効果です。
日本のことわざにも「親しき仲にも礼儀あり」という言葉がありますが、お互いに敬意をもつことがベースにあり、そのうえでフラットに率直に話し合うことは、常に頭に留めておきたいものです。
あるのは役割のみである
価値を創り出していく過程では、さまざまな役割が発生します。
会社の中での地位、つまり偉い/偉くないではなく、役割を果たせるかどうかが重要です。
価値を創り出すための役割を果たしていなければ、会社での地位が上でも何の意味もありません。
価値の実現のために、その人がどのような役割を果たせるのかが、会社の中でのその人の価値を決めることになるでしょう。
これからも、ビープラウドをフラットで、価値を創り出す土壌・文化がある組織づくりをしていければと思います。
*1:アルフレッド・アドラー(Alfred Adler)が創始し、後継者たちが発展させてきた心理学の体系