私が、インターネットサービスの開発などの仕事にかかわるときに、心がけていることがあります。
それは「そのサービスのヘビーユーザになる」ということです。
それまでに、自分がそのサービスを使う習慣がなかったとしても、まずは使ってみることです。使っているうちに、ふとした瞬間にそのサービスの良さも分かり、愛着が湧いてきます。
そのために、自分のお金を使うこともあるかも知れませんし、時間を使うかも知れません。しかし、それよりも、もっと大きなものを得ることができます。
それは「サービスに対する当事者意識」です。
「当事者意識」を持つことができると、何か起こったことに対して「それはユーザにとってまずいことだ」とすぐに考えることができますし、「そのようなことはやって意味があるのか」とか「このような機能があると楽しいかも」などといろいろな発想や考えが浮かびやすくなり、自発的に仕事に取り組むことができます。
「仕事だから」と割り切り、そのサービスをほとんど使わない人もよく見かけますが、当事者意識を持って臨んだ仕事は、いろいろな発見もあり楽しい経験も多いものです。サービスの外側と内側からの2つ視点からサービスをみることになるので発見が多いのも当然でしょう。
それらに加え、「当事者意識」を持っている人は、仕事の全体を見る視点が自然に身につきます。それは、当事者意識を持つことによって、そのサービスを多面的にみる習慣がつくからです。一般ユーザからの視点、ビジネス的な視点、運営効率的な視点、技術的な視点、他のサービスと比較した視点。
逆に当事者意識がない人は、自分に与えられた仕事がうまくいくか、いかないかが最大の関心事になりがちです。そのような一面的な視点しか持たない人は、厳しいようですが、いつまでたっても仕事で大きな成果を出す可能性は低いのではないでしょうか。
インターネットサービスに関わる人にとって「そのサービスのヘビーユーザになる」というのは、その人の成長にとっても、サービスの成長にとっても大きなメリットをもたらします。
いままで、自分が関わっているサービスをあまり使っていなかったという人は、まずは積極的に使うことからはじめてみてはいかがでしょうか。
今年の目標:100エントリーまであと82。残り327日、46週と5日。