システム開発に関わる全ての人が、覚えておくべき鉄則がある。 今年の目標103エントリー まであと6
書籍「ソフトウェア開発201の鉄則」に掲載されている「今すぐ要求仕様書の誤りを直せ」という鉄則である。
それは以下のような内容である。
・もし要求仕様書の誤りが設計まで残っていたら、それを見つけて修正するのに5倍のコストがかかる
・もしコーディングまで残っていたら、10倍かかる
・もしテスティングまで残っていたら、20倍かかる
・もし納入時点まで残っていたら、200倍かかる
この原則はお客さんがいる受託開発に限らず、自社の製品をつくる場合にも言える話である。
どのようなシステムをつくるのかもはっきり決まっていないのに、製品をつくりはじめると、あとで修正が入った場合に、大きなコストがかかるということを認識しておく必要がある。
もし実際に動くものをみないと、何をつくるべきかわからないという場合は、はっきりとプロトタイプという位置づけでつくるべきだろう。そしてそのプロトタイプは捨てることである。
ものをつくるときは、すぐにつくりはじめたくなってしまう。
そこを我慢して方向性を決めてからつくる。それによって後で大きなコストが発生するリスクを抑えるというマネジメントが必要である。
「方向性よりもスピードについて心配するのはばかげている。数分の努力を惜しんで、何年という長い年月を無駄にするようなものである」(第8の習慣)
間違った方向に速いスピードで走っても、戻るコストが大きくなるだけである。
すぐつくり出すことが「スピード」を出す一番の方法ではない。
戻りのコストまでを考慮したトータルなスピードを出せるように考えていきたい。
ソフトウェア開発201の鉄則/アラン・M. デービス