『治療より予防』という言葉があります。
病気になってから、病院に行ったり、薬を飲んだりするよりは、健康なときから病気にならないように予防した方が、労力も少なく、結局は楽であるということをあらわしています。
仕事でも同じだと思います。
問題やトラブルは、発生すると他の仕事をさしおいて、対応しなければならなくなります。
また、問題は解決したとしても、その問題のために迷惑をかけた方への謝罪、対応策の報告、再発防止のための必要以上の入念な対応を行う必要があります。そして大きいのは、その迷惑をかけた人から信頼を失ってしまう可能性があることです。
将来にそのような問題があるのであれば、いま、ちょっと時間をかけて、発生しうる問題を考慮し、将来への対応をしておいたほうが、時間的にも、精神的にも健康的な未来を送ることができます。これは、7つの習慣でいう「緊急ではないが、重要であること」にあたると思います。
(私は、以前、某社の勉強会で「システム開発プロジェクト/エンジニアの時間投資」という題材で、お話させていただいた際に、そのあたりの説明をいたしましたのでよろしければ、ご覧下さい)
しかし、将来の問題ばかり考えて、先に進めないというのも問題です。
将来の問題を考えすぎないのもいけない、先に進めないのもいけない。そのあたりは、ケースバイケースであり、今かかるコストと、先にかかるコストを見据えた上でのバランス感覚となるでしょう。
先日、『「先読み力」で人を動かす』という本を読みました。この本のキーワードは「先読み力」「プロアクティブ」です。
筆者は、「先読み力」とは、起こりうる出来事(問題)を推測・発見する力、「プロアクティブ」とは、先手を打つ1歩先に行動することを「プロアクティブ」と定義しています。
「プロアクティブ」とは逆の言葉で、「リアクティブ」という言葉も定義していて、それは、受動的でいつも1歩後に行動することであるとしています。
プロアクティブに行動して1日1歩進むか、リアクティブに行動して1日1歩後退するかで1日2歩、1年で730歩も差がでる。その差は人生においてとても大きいと筆者は述べています。
また、この書籍は、筆者が、尊敬できる先輩と一緒に仕事をした経験、そして自らがリーダー経験を積み重ねてきた中で、得られたプロジェクトを成功させるための、リーダーとして仕事のスキル、心構え・考え方も書籍の後半に書かれていますが、それもとても共感できるものでした。断片的ですが、共感した物を列挙しておきます。
・私ならの視点でたたき台を用意→その資料を土台にMtgがはじまるので自分のペースでリードできる
・堂々めぐりはホワイトボードで「見える化する」→視覚に訴え、議論をまとめあげる
・好意でスコープ外の仕事をしていることを相手に認識してもらう→相手からの価値が高まる
・いつも忙しく仕事をしているリーダーよりも、仕事を任せてくれ、仮に問題が発生しても必ずリーダのほうが頼れる→万が一に備えて、リーダーは70%の力で働く
この書籍にかかれていることは、どのような仕事でも、通用する内容ですが、特にITマネージャー、リーダーには是非読んでいただきたい内容でおすすめです。
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