ログファイルを扱う技術を身につけると、さまざまな良いことがある。
1つ目の良いことはトラブルシューティングに強くなれることだ。
トラブルシューティングが得意な人というのは、ログファイルからすぐに異常箇所のとっかかりをみつけてくる。反対に、トラブルシューティングが苦手な人は、ログファイルで該当の箇所をなかなかみつけられずに、いつまでも時間がかかる。
2つ目の良いことは、システムを直感的に覚えられることだ。
私は昔からシステムを直感的に、そして体で覚えるために、あることを試している。それは、システムを動かしながらコンソール上に高速に流れるデバッグログを眺めるということである。
その時、ログの中身自体は読めなくてもいい。むしろ、ログのテキストをじっくり読んでもあまり効果はない。ログをブロックの固まりでみていると、パターンは大体一緒なので、ぼんやりとなにを処理しているかがわかるようになってくる。それを繰り返していると、知らずのうちに処理フローを覚えているものである。
そのようになってくると、ログの流れにひっかかりがあったから処理に時間がかかっている、今の動きはいつもと動きが違うなど、直感的にシステムの異常に気づくことができるようにもなってくる。
体で覚えているというのは大事なことだ。仕事のスピードが違ってくる。その効果はてきめんである。
3つ目の良いことは、ログ出力のプログラミングスキルが身につくことだ。
このスキルはかなり地味で目立たないが、実際のシステム運用を視野に入れると、とても重要になる。
トラブル解析に有効なログ出力のあるなしで、トラブル対応のスピードは全く違ってくる。トラブルは長引けば長引くほどダメージは大きく、解決しても利益を生まない不毛なものである。ログを読む習慣をつけていると、トラブル解析に有効なログ出力に対する感覚が身につき、トラブル時にも糸口をすぐみつけることができる。
ログファイルはシステムの日陰的な存在だが、それを扱うスキルを身につけると、システムの現場でとても有益な情報となる。
日頃ほったらかしにしているログファイルを見直してみるのも、ゴールデンウィークの新しい過ごし方の1つかもしれない。
今年の目標:100エントリーまであと55.残り244日