私は、システム開発の際に、UMLをできる限り活用します。それは、UMLを使用した図を作成していくうちに自然とシステムへの理解が深まっていくからです。
UMLには「ビュー」という概念があります。システムに関わる人たちが、システムについてもつ関心・視点は、その人の立場によって異なります。その立場ごとに異なる視点を「ビュー」といいます。UMLでは、そのビューごとに特化したかたちで、ダイアグラムと使用する要素を用意しています。
ビューは、大きく、論理的ビュー(システムの仕様/機能、概念など)と物理的ビューに分けられます。そしてさらにその中で、静的な情報を表したビューと動的な情報を表したビューがあります。以下の図にシステムのビューとそれぞれの主なダイアグラムを示しました。
システム開発時に、UMLを活用することで、自然とUMLの様々な視点(ビュー)からシステムを考えることになるので、思考も多面的になり、自分の思考の漏れ・矛盾・ムダが自然と洗い出されていきます。
このようなことから、UMLはシステム開発用の思考フレームワーク(またはそのためのツール)であると私は考えています。
また、UMLの特徴の一つとしてシステムをモデリングするために考案されたダイアグラム集ということがあげられます。そのためUMLを使用して作成した図は、自然とシステムの表現に適した表現となりやすく、その図の品質は高くなります。
では、システムを開発する流れの中で、UMLのどのダイアグラムをどのような順番で作成していけばよいのでしょうか。その点については、別のエントリーで説明したいと思います。
今年の目標:100エントリーまであと93。残り346日、49週と3日。