今年開催されたサッカーワールドカップで、日本代表チームは、守備重視の戦術で決勝トーナメントに進出し、ベスト16という一定の成果を収めた。しかしその反面、攻撃の幅が少なく物足りなさを感じたのも事実である。
なぜ物足りなさを感じたのか。それは、元日本代表監督のイビチャ・オシム氏が著した「恐れるな! なぜ日本はベスト16で終わったのか?」から読み取る事ができた。
オシム氏は、日本人の気質としてリスクを恐れることを上げている。
オシム氏の監督時代、中村俊、遠藤は積極的に攻撃に参加しなかったという。オシム氏は、その理由を「相手に潰される」「ボールを奪われる」というリスクを背負うことを恐れていたからではないかという。
〜以下「恐れるな!」から抜粋
なのに、彼ら(中村俊、遠藤)はパスを出した後、ボールの行方を見ながらゆっくり走るだけだった。バイタルエリアの手前までボールを運ぶと、サイドにパスを出すだけで、ゴール前にはスプリントしなかったのである。その先にこそ様々なバリエーションがあるのだ。ゴール前のゾーンでの戦いに勝ち、スプリントし、シュートを打てる選手が必要なのである。(恐れるな!P192より)
相手のゴールから離れているところでボールを回し続ける退屈なサッカー。W杯に限らず、私が日本のサッカーをみていて感じていた物足りなさである。
私は攻撃的姿勢だけが美徳とは思わない。W杯では守備重視の戦術をとり、攻撃的姿勢を取らなければという長年の呪縛から解き放たれた。守備重視という戦術は日本人の気質にマッチし、自分たちが平常心で戦えるベースキャンプとなりえたのだろう。
一方で、その心地よいベースキャンプに留まり続けては、大きな成果を掴むことはできない。大きな成果を掴むには、チャンスには勇気を奮い、ベースキャンプを離れる必要があるのだ。ベースキャンプを離れた後にスピードが重要なのはいうまでもない。モタモタしていては、チャンスを逃すばかりか逆にピンチが待っているからだ。
これはサッカーのチームだけではなく、企業にもあてはまることではないだろうか。今後の日本代表チームの戦いを見守りながら、会社や仕事にも生かせるようにしていきたい。
今年の目標102エントリー まであと53