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ビープラウド社長のブログ

株式会社ビープラウドの社長が、日々の思いなどを綴っていきます。

ビープラウドが設立されて、丸10年が経ちました

ビープラウドは2006年5月23日設立なので、昨日で丸10年を迎えました。

これまで関わっていただいた多くの方々に、深く感謝いたします。

10年前に、わたしがなぜ会社を始めたか。

それは「新しいなにかを創り出したい」とおもったからです。

「新しいなにか」とは、組織や、製品やサービス、システムやアプリケーション、サイト、方法論や技術、書籍などのコンテンツかもしれませんし、コミュニティや、働き方などであり、またヒトかも知れません。

「新しいなにか」を創り出すためには、以下の3つの条件が必要と私は考えています。

  1. 自由で楽しくリラックスした雰囲気
  2. アイデアをカタチにするスキル・知識・チームワーク
  3. 創造のプロセスを導くリーダー

自由で楽しくリラックスした雰囲気

「創る」ためには、字の通り「創造力」を発揮することが必要です。

創造力を発揮するための条件として、リラックスした、自由な気分でいることがあげられます。

ルールに縛られて窮屈な気持ちであったり、恐れを抱いた気持ちでいたら、新しい発想は生まれてきません。

リラックスし、自由な気分でいてもらうために、会社では、ルールは最低限にし、自由な雰囲気で楽しく、やりたいように仕事をしてもらえるようにつとめてきました。

アイデアをカタチにするスキル・知識・チームワーク

たとえば、製品やサービス、システムやアプリケーション、サイトなどを「創る(開発する)」ためには、設計やプログラミングやデザインなどの技術力やスキル、知識が必要となります。

また、品質やマネジメントなどさまざまなスキルや知識、そしてお互いの力を引きだし、補いあうチームワークも必要となるでしょう。

そして、より良いプロセスで、アイデアをカタチにするには、日々、新しいスキルや技術を学び、磨き、洗練させ、研鑽していく必要があります。

ビープラウドでは、そのようにお互いに研鑽し、学ぶ雰囲気が自然とつくられてきたとおもいます。

創造のプロセスを導くリーダー

自由でリラックスした雰囲気でものごとを発想し、スキル・技術力・チーム力を持っているとして、ブレーンストーミングを繰り返し、プロトタイプ開発を繰り返せば、価値ある「新しいなにか」は創り出せるでしょうか。

私みずからの経験からもノーと言えます。

どのような会社でも時間やお金などのリソースは有限です。

延々とブレーンストーミングやプロトタイプ開発を繰り返しても、力尽きるか、妥協して価値の無いものをつくってしまいます。

アイデアをカタチにし、価値を生み出すには、メンバーのアイデアを引き出し、生まれる価値を明確にし、合意を形成し、行動に向かう活力を生むための地図が必要です。

その地図をメンバーとともに描き、チームを導いていくのが、リーダーの役割であると私は考えています。

そのために私は、要求開発(匠メソッド)という手法を2012年から学んできました。

匠メソッドはすでにconnpassの企画や、受託開発の提案フェーズなどに導入していて、これからも活用していければと思います。

要求開発については、以下のスライドにもまとめていますので御覧ください。(スライドではエンジニアを対象にしていますが、エンジニアに限った話ではありません)

これから

ビープラウドにはスキルがあり、人間的にも魅力的で、真摯に仕事に取り組むひとたちが揃っています。

そのような人たちが、磨いたスキルや技術を活かし、ひとが本来持っている創造力をもって、価値あるものを創りだし、それにより社会に貢献することで、自分の価値を実感できる、そのような場にビープラウドをしていきますので、これからも宜しくお願いします。

Developers Summit(デブサミ) 2016 に「エンジニア・コミュニティで組織は動き出す」というテーマで登壇しました

2月18日に、 Developers Summit(デブサミ) 2016 に登壇させていただきました。

以下は、当日のスライドです。

オファー

2016年1月7日、会社近くで昼ごはんを食べていると、Facebookメッセージが届いた。

翔泳社の鍋島さんからである。

読むとDevelopers Summit 2016 (通称デブサミ)で講演してくださいとのこと。

講演日は約1か月後の2月18日である。

「デブサミ!?」

わたしは10年以上前から、いつかデブサミで話せるようになりたいなぁと思っていた。

デブサミはエンジニアの祭典ともいえるIT業界では有名なイベントである。

まったく予想していなかったオファーに、わたしの瞳孔は開いた。

回答は1月12日を目処にとのことだが、心は決まっていた。

成人の日の3連休にぼんやりと自分の気持ちを確かめ、連休明けに「担当させていただきます」と鍋島さんに回答した。

内容については「コミュニティと会社」という趣旨の依頼だったので、昨年のPyCon JP基調講演の内容を軸にすれば良いとは思ったが、いったんゼロからつくりあげていくことに決めた(結果的に同じ内容になってもよしとする)。

前日

会場(目黒雅叙園)で17時からリハーサル。

時間に余裕をもっていたはずが、あやまってAmazon Japanオフィスのエントランスまで直通エスカレーターで昇っていってしまったりしながら、会場にぎりぎり到着した。

タイムテーブル を確認すると、いつの間にか「満員」と表示されていたので、小さな会場なのだろうと思っていたら、100人以上は入れそうな会場。あらためて緊張の高まりを感じた。

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当日

デブサミ初日の2月18日。9時30分に会場の目黒雅叙園に到着。

わたしが講演をする予定のD会場に向かった。

先発投手は、以前BPStudyお話しいただいたこともある楽天の川口さん。

立ち上がり、朝一でまだ雰囲気が堅いなか、次々とネタを繰り出し、会場の笑いをとる川口さん。

同じ割合でスベりもするが、ネタを繰り出し続ける川口さん。

(自分にはこのスタイルはできないな。自分のスタイルってなんだっけ)

とあらためて考えるきっかけとなった。

自分の出番は17時25分。D会場の一番最後のセッションである。

午後は、スピーカーラウンジで最終調整に入った。

3年ほど前に、日本たばこの浅井浩一さんの講演を聴いたときのこと。

浅井さんが講演の当日朝に、家で講演の準備をしていると「同じようなことを話すのに、なぜ、そんなにぎりぎりまでうんうん考えているの?」と奥さんに聞かれたそうだ。

浅井さんは「せっかく人が聞きに来てくれるのだから、たとえ同じ話でも自分のベストを尽くしたい。だからぎりぎりまで考える」とおっしゃっていた。

そのエピソードを伺って以来、私も社内外かかわらず、人前で話す時には、浅井さんを見習い、ぎりぎりまで話す内容について考え抜くことにしている。

この日も、スライド、話す内容について直前まで考え抜いた。

本番

講演の30分前。

待機していたスピーカーラウンジで案内の方に呼ばれ、会場に移動し、1番前の席に座った。

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15分ほど待ち、定刻になった。

司会の女性に名前をアナウンスされ、会場に紹介された。

わたしはジャケットを脱ぎ捨て、D会場の抑え投手として登板した。

ソーシャルメディアに人の写真を許可なくあげるのはうんぬんという暗黙ルールも世の中にはあるので、あえて写真のアップを会場にお願いした。

多くの方に、写真をアップしていただき感謝感謝です。

(着ているユニフォームは中日ドラゴンズ1974-1986 ホームグラウンドモデルです)

ビープラウド?何の会社?あなた誰?という方も多いだろうとおもったので、冒頭で「(ビープラウド自社サービスの) connpassを使った人がある方はいますか?」という質問をした。

会場の7〜8割の人が手を挙げてくれ、これにより、わたしの心は落ち着きを取り戻すことができた。

時間は数分余ったが、あっというまの45分。

もう少し話していたいと思うくらい気持ち良く話すことができた。

最後に

念願叶い、憧れのDevelopers Summit で話すことができました。

チャンスをいただいた翔泳社さま、運営委員の方々、そして鍋島さんにお礼を申し上げます。

また、会場では、スタッフの方のスピーカーへの丁寧な対応、そして気遣いがひしひしと感じられ、私の中で、場への特別感も高まり、ベストを尽くすことができました。

一生の思い出をありがとうございました。

また、2週間前に開催されたデブサミ2016 スピーカーズキックオフパーティーの開催も嬉しかったです。どのような方達が発表するのかを知ることができたのと、スピーカー同士で情報交換をすることができ、当日の雰囲気を把握し発表に役立てることができました。

〜したくないという気持ちを活用する

「テストをしたくない」「同じようなプログラミングを何個もしたくない」「ミーティングをしたくない」「営業をしたくない」さらには「仕事をしたくない」など「〜したくない」と感じることは、仕事に限らず、日常の生活でも良くあることだとおもいます。

そのようなとき、多くの人は「そのようなことでは良くない。頑張ってやらねば」と考え直し、行動を続けることが多いとおもいます。

また、自分以外の人が「〜したくない」と言っているのを聞いて、「〜しないで、成り立つのか。怠けるな(怒)」と言うのは簡単ですし、そのように叱咤・叱責するような気持ちになるのも仕方のないところです。

しかし、それは新しい発想や行動を生む、大きなチャンスを逃していると思います。

ここで「〜したくないと考えるのは良くない」となるのではなく「〜したくないなら、〜しないためにはどうしたらよいか」と考えてみたらどうでしょうか。

たとえば「掃除をしたくない、掃除がめんどうくさい」という気持ちに目を向けたからこそ、ルンバは生まれたのでしょう。

「我慢して掃除をするのが当然だ」と発想していたら、ルンバは生まれなかったでしょう。

また「洗濯をして、脱水槽に移し、脱水をして、洗濯物を干す」というのを面倒くさいと思わず、「そういうものなんだ」と思っていたら、いつのまにか面倒くさいという気持ちも忘れ、日常になっていくでしょう。

そのような気持ちに気づかなかったら、乾燥機付き全自動洗濯機は生まれなかったはずです。

また、システムの開発では、テストデータを大量につくらないといけない場面があります。

まずはそのデータを手作業でつくることになりますが、それを面倒くさいとおもわずに、そういうものだと思って、粛々と作業を続ける人もいるでしょう。

しかし、「面倒くさい、やりたくない」と感じた時に「その手作業のテストデータ作成をやらないためにはどうしたらよいか」と考えられれば、Excelのマクロやプログラムを作成して、自動でデータをつくろうという発想が生まれてくるわけです。

このように「〜したくない」という気持ちに目を向け「〜しないためにはどうしたらよいか?」と考えることによって、新しい発想が生まれ、未来を変えていくことができるのです。

「〜したくない」という気持ちが生まれた時や、そのような言葉を聞いた時は、それを怠惰と決めつけずに、その素直な気持ちや感情に目を向けて認識し、「やりたくないなら、〜しないためにはどうしたらよいか」というように、前向きに視点を変えるような思考習慣はいかがでしょうか。

2016年の気持ち

2016年、初のブログです。

今年の5月23日で、会社をはじめて丸10年となります。

私は2006年以来、ビープラウドを社会から信頼される存在に育てるために、凡人の自分でも努力すればできることを日々継続し、少しずつ積み上げてきました。

積み上げてきたものは、会社継続の基盤となる、顧客との関係、社員との関係、社外の人間関係、組織プロセス、財務的蓄積、などです。

「社会から信頼される会社」の1つの重要要素は「継続性」です。

会社が継続されるという前提があると、従業員が安心して仕事ができ、顧客は安心して仕事を依頼したり、サービスを受けることができます。

経営者が気まぐれで、すぐに投げ出しそうであったり、不安定で無くなりそうな会社に、従業員は自分の人生の大事な時間を預けることはできませんし、顧客も仕事を頼めません。

一方で、初心に帰り、そもそも私がなぜ会社をつくったのか。

それは、過去の価値観、慣習にとらわれない、新しい時代の会社を創りたいという考えからでした。

これを実現するうえで、1番の障害となるものは、なんでしょうか。

それは、恐怖心です。

今まで築いてきたもの、所有しているもの、立場、生活...などを失いたくない、失敗したくない、守りたい、継続させたいという自己生存本能、執着心から来る恐怖心。

恐怖心があると、人は無意識に守りに入ります。

過去を守り、過去に足を引きずられ、過去にとどまろうとします。

会社のリーダーである私が恐怖心にとらわれていたら、新しい時代の会社を創るはずが、過去を守る会社になってしまいます。

会社をはじめたときはゼロであり、「過去」はありませんでした。

丸10年を迎える今年、新しい時代の会社を創るという目的のため、「過去」を手放す覚悟と思い切りをあらためて持ちたいとおもいます。

とはいえ、過去を全て手放し、捨てるわけではありません。

10年で積みあげてきたものから、守り育てるべきもの、捨てるべきものの価値観を日々勉強しながら磨きつつ、強かに経営していければとおもいます。

PyCon JP2015 ビープラウドの登壇まとめ

PyCon JP 2015が、お台場の東京国際交流館プラザ平成で開催されました。

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ビープラウドメンバーの登壇をまとめておきたいとおもいます。

皆さん、輝いていました。

@hirokiky

スライド

www.slideshare.net

@shimizukawa

スライド

www.slideshare.net

@aodag

スライド

公開待ち

@c_bata

カレー飯先輩のLT登壇を把握しておらず、2階席の端っこで翌日のスライドを修正していました。慌てて撮影したため角度が悪いので、 @shimizukawa のつぶやきを引用させてもらいます。

スライド

www.slideshare.net

@tell-k

スライド

PyPIデビュー2015

@haru

www.slideshare.net

BPPRとは

Be Proud Public Relations の略で、ビープラウドの社内制度です。

背景

世の中には、星の数ほどの会社があります。そのために、普通にしていたら会社が世の中で知られるということは至難の業であり、会社はそのためにさまざまなコストを支払います。また一時的に大金をはたいて広告を出したからといって、これだけ多種多少な媒体で、広告情報があふれている世の中では、一度おぼえてもらっても記憶の片隅に忘れ去られてしまうのは時間の問題です。

制度

従業員が自らの活動により、会社の名前を広めることは会社の宣伝活動になり、さまざまなコスト削減効果が見込めます。 その効果に対して、会社が費用を負担したり、報奨金を出す制度です。

現在は、以下の内容をサポートしています。

  • イベント参加時間を出勤扱いとする(トータルで年間最大16hまで)
  • イベント参加費(交通費を除く)の補助(トータルで年間2万円まで)
  • 補足: 休日開催の場合は出勤扱いで代休が付く

最後に

昨年は545人、今年は602人ほどが参加されたそうです。

PyCon JP には、世界各国から多様な人が参加します。また今回は子供ワークショップもありました。

そのような多様性を受け入れようというスタンスを随所に感じる、おもてなしカンファレンスでした。

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ランチも4種類+ベジタリアン+ハラル。暖かいランチは参加者にとても好評でした。みんな「おいしい、おいしい」と言って食べていました。

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このような素晴らしいカンファレンスをボランティアで主催されているスタッフの方々には頭がさがります。

また、参加者の方々の熱量もとても感じました。横のつながり、コミュニティってよいですね。

また、来年会いましょう!

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PyCon JP2015 基調講演の裏側

私は昨年末の社内納会で、会社が10年目を迎えるにあたり、ビープラウドのビジョン、ミッション、価値観を、創立日の2015年5月23日までに公開すると宣言しました。

そして、1月末のBPCamp(社内旅行)でのワークショップによる社内意識の調査、創立以来の取り組みの振り返り、2006年からの自分のブログの全エントリーの読み直しなどをしたうえで、考えをまとめ、5月23日にブログに公開しました。

shacho.beproud.jp

年始からずっと取り組んでいたので無事エントリーを公開し「少しゆっくりしよう」と思っていました。

それも束の間、PyCon JP 2015プログラムチームからの連絡を頂いたのは、その8日後の5月31日でした。

「Possibilities of Python」というテーマで基調講演をということでしたが、何を話したら役立てるのか、私にはすぐには浮かびませんでした。

私よりも適任がいるのではということが頭をよぎりましたが、年末の社内納会で、自分のコンフォートゾーン(自分のぬるま湯)から抜け出てコンフォートゾーンを広げようと、会社メンバーの前で話したのを思い出し、メールを読んで1時間後には、担当させて頂きますと返事をしました。

PyCon JPの2日目の基調講演。2日目は10月11日なので準備期間は約4か月です。

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インプット

何を話そうかということがわからなかったので、アウトプットのためには、インプットということで、本を読むことに決めました。

読んだ書籍は以下の3種類。

  1. 自分の人生の血肉になった書籍
  2. 家の本棚や、電子書籍で積読されている書籍
  3. 1と2を読んでいるうちに発見した新たな書籍

最終的には、1は30冊、2は30冊、3は10冊程度は読んだと思います。

その中でも、一番役に立ったのは、2の積読されていた書籍でした。

積読されていた書籍を読んでいると、なぜ早く読まなかったのかと思える本が次々と現れました。

そこには多くの発見があり、とても驚いたのを憶えています。

スケジュールとしては、6月7月と8月上旬はインプットに徹しました。

早くかたちにして楽になりたいという気持ちも片隅にはありました。

そこをこらえて、インプットした情報を寝かせることで化学反応を起こし、良いアウトプットが出てくるのを待ったのです。

中途半端な状態で書き始め、その中途半端なアウトプットにとらわれ、本当に話すべきことが表現できないことを回避するためでもありました。

そして、このインプットにより、積読もだいぶ解消されるという嬉しい効果も出ました。

転機

転機が訪れたのは、8月12日でした。

昨年のPyCon JP2014の基調講演をされたサイボウズラボの西尾さんに別件の用事もあり、話を伺いに移転したばかりの日本橋のオフィスに伺いました。

伺う前に、西尾さんのブログや、スライドなどを拝見し、KJ法について書かれているのを発見しました。

KJ法については言葉は知っていましたが、はっきりと考え方については把握していませんでした。

事前知識を仕入れておきたいと思い、川喜田二郎さんの書籍を読んでみました。

www.amazon.co.jp

1967年の出版、なんと今から48年前の書籍です。

そこには、演繹法(インダクション)でもなく、帰納法(デダクション)でもない、もやもやとした情報群から明確な概念を引っぱり出す発想法(アブダクション)が書かれていました。そこには、場数や経験を頼りにするのではなく、個人が創造性を発揮し、チームで衆知を集めるための体系的な方法/考え方が書かれていて、今の時代にも通じる発想法に驚愕しました。

西尾さんに伺うと、「コーディングを支える技術」を執筆された時にもKJ法を使い、内容を導き出していったそうです。

Amazon.co.jp: コーディングを支える技術 ~成り立ちから学ぶプログラミング作法 (WEB+DB PRESS plus): 西尾 泰和: 本

また、KJ法をやっていくなかで紙切れづくりというプロセス(アイデアを付箋紙に、1行見出しで書いて行く)がありますが、そのコツについて教えて頂きました。

  • たとえば100枚とノルマを決めて、アイデアを付箋紙に書いていく
  • 枚数のノルマを決め、現在の枚数をカウントすることで、ブレストの進捗度が分かる
  • 同じ内容の付箋紙を書いてもOK。複数回出てくるものは重要ということ

西尾さんとは、KJ法だけではなく、U理論という共通の言語もあり、お話し頂いたのは1時間でしたが、それ以上に感じられるほどの密度の濃いお話でした。

この西尾さんのお話を伺い、私もKJ法で基調講演の内容を構成してみようと決めました。

アウトプット

私の作戦としては、8/21まではインプットに専念。

8/22(土)にちょっとした電車の移動があるので、その車中で付箋に書き出しを開始し、8月末までに一気にまとめ、スライドのドラフト版をつくるというものでした。

付箋に書き出し、そして、それを電子化してKJ法(もどき)でまとめたものが以下です。

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古典的な書籍ですが、以下の書籍は、スライド構成をまとめる上で、あらためて大変役立ちました。

Amazon.co.jp: 考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則: バーバラ ミント, Barbara Minto, 山崎 康司, グロービスマネジメントインスティテュート: 本

ピラミッド原則、冒頭部の構成方法、帰納法、演繹法、などロジカルで伝わりやすいスライド構成を検討する上で、とても重宝しています。

その後、9月のシルバーウィーク5連休中はスライドの構成を研ぎすませ、最終的に提出したのは、シルバーウィーク最終日の 9/23の23時過ぎ。

原稿のドラフトを提出したのは、9/30の夜でした。

当日までの準備

9/30に原稿のドラフトを提出してからは、10日間、毎日1日1回、1時間ほど時間をとって、声を出してスライドを読む練習をしました。

声を出して読んでみると、つっかえたり、話しにくい箇所が出てきます。

その話しにくい箇所は、論理的にも思わしくなかったり、伝わりにくかったりする箇所です。

それらの箇所を書き直しては、スライドの精度を上げて行きました。

何かの発表をするときは、1回でも実際に読み上げてみることです。それだけで発表、スライドの質がだいぶ向上します。

当日

基調講演は朝の10時からなので、9時に到着し同時通訳の方々と内容について打ち合わせをしました。

私の懸念点としては、同時通訳と私の話すスピードのバランスでした。

私の話が速すぎて、同時通訳が追いつかなくならないように、ゆっくりと話すように練習してきました。

「同時通訳が話終わってから、次の文章を読めば良いですか?」と質問した所、同時通訳レシーバーをつけているとそれが気になるので、つけない方がよいということで、レシーバーはつけずに話すことになりました。

その代わり、スライドの変わり目や話の変わり目は、少し間をあけてくれると助かるとのこと。

同時通訳の方々との打ち合わせも終わり、壇上に向かい、プロジェクターとの接続テスト。

スライドの表紙だけではなく、他のページも画面に映して切れていないことを確認。準備万端。

本番

定刻になり、スタッフの方に私のプロフィールが紹介され、壇上にあがりました。

当日の内容は、Togetter でまとめて頂いています。

togetter.com

万全の準備をしていたので、心は落ち着いていました。

冒頭で、「Do you Like Python?」という質問をしました。

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もはやPythonを使うのは当たり前になっている人に「Pythonが好きだ、Pythonを使いたい」という根源的な気持ちを呼び起こしてもらうためです。

壇上から見ている限り、ほぼ、全員が手を挙げてくれました。

相当数の人たちが「当たり前だろう。Pythonが好きだぜ」というにこやかな顔をしていて、ほっとしました。

そのあとの自己紹介で、なぜだか2回ほど言葉の発音がおかしくなり「あっ、緊張してるな」と自分で認識できました。

しかし、それを認識できたおかげでそのあとは、落ち着いて話せたので一安心でした。

講演にあたっての心配ごとは、英語同時通訳よりも自分が話すスピードが突っ走り過ぎないことです。

だいぶゆっくりと話したので、堅めな口調になってしまったかも知れません。

しかし、@shimizukawa のつぶやきによると、それくらいのペースでも結構早口で訳されていたとのこと。やはりちょうどよかったのかもしれません。

基調講演の最後のメッセージとしては、「技術に感動しよう」ということで締めくくりました。

プログラミングを始めていた頃は、自分のプログラムが動いた時に「おー、動いた」と感動していたのが、いつのまにかそのような気持ちも忘れてしまいがちです。

そのような人に、もう一度、プログラミングを始めたときの感動を思い出してもらうと同時に、そのあとの技術セッションでまた違う気持ちで話を聴けるようになるとおもったからです。

最後に

このような機会がなかったら、いままでの取り組みや、考えをまとめるということは、おそらくしなかったと思います。

エンジニアの方は、今回のように話せる場があったり、そのような機会が訪れたら積極的にその機会を活用するのが良いでしょう。

それが自分の中に眠っている暗黙知を、輝く形式知として世に出す絶好の機会となります。

PyCon JPプログラムチームの方々には、大きな機会をいただき、本当に感謝しております。

そして、担当の齋藤さん、とてもお世話になりました!ありがとうございます。

PyCon という素晴らしいコミュニティ。また、何かお手伝いできることがありましたら、協力させてください。

発表スライド

www.slideshare.net

BPRD2.0 その後

6月1日に、BPRD(BeProud Remote Day:リモート勤務の日)を、従来の週1日から週5日に拡大しました。

ブログでも公開( BPRD2.0 )したところ、いろいろな方から反響を頂きました。

社内で、困っていることが起きていないか、問題は発生していないかのアンケートを取りましたので、公開しておきます。

アンケート結果

Q. BPRDの制度をどのくらい利用しましたか?

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  • 15回以上 3.8% → 週に4,5回
  • 10〜15回 7.7% → 週に2,3回
  • 6〜10回 11.5% → 週に2回
  • 1〜5回 53.8% → 週に1回
  • 0回 23.1%

Q. BPRDの拡大で良かったことはなんですか?

時間の有効利用、精神的余裕

  • 朝ゆっくりできる
  • 洗濯など家事する余裕ができる
  • 宅配を受け取りやすい
  • ギリギリまで寝る事ができて電車に乗らずに済む
  • 日中に済ませなければならない私用を週に複数回行えること
  • 通勤時間がなくなったこと
  • 午前ミーティング、午後自宅などで電車混雑時間帯以外の帰宅が可能になりストレスが減ったように思う

仕事のしやすさ

  • 家のほうが静かなので集中できる
  • 騒音や空調などがコントロールしやすくなった
  • 総じて集中しやすい環境を作りやすい
  • 自宅の方が集中できないかなと思ったが、なれるとそうでもないと思う
  • メンバーが都合に合わせて自由にのびのび働いていた
  • オフィスに人が少なくて快適
  • オフィスが気持ち涼しい日がある

経済的余裕

  • 自炊しやすくて財布に優しい
  • お昼ぎりぎり自炊が可能で、食費の低減が可能になった。

体調・健康面

  • 出勤が減ったぶん楽になった
  • 体調が安定しやすくなった

家族

  • 家族の体調が悪い時に午後BPRDや午後休などを組み合わせてより柔軟に対応できるようになった

制度の使いやすさ向上

  • 平日BPRDを使用した週でも週末に作業入った時に利用できたこと
  • BPRD2.0 をいつでも使えるというのが 精神的余裕に繋がりそうな気がします。 実際には自分のBPRD使用率が 制度導入前と同じで BPRD2.0前とあまり変わらないです。
  • とくに週何回の制限を気にする必要がなかったので、気軽にBPRDできるようになった
  • 今週は、○曜日にBPRDしたいから今日はやめておこう、ということを考えなくてもよくなった
  • 週のどの日にするか考える時間が減りました(したい時・できる時にすればよい)
  • いつでも取れるという気楽さがあった。余計な制限(週一回)みたいな面倒くさいことを気にしなくていい。「金曜日にRDしたくなるかもだから火曜日は出社しとこうかな?」とかを考えなくても済む

Q. BPRD拡大で困ったことは何ですか?

  • 家から出なくなりがちなので、運動不足になりがち。気分転換ができずに、ずっと仕事をしている気分になる

Q. 改善した方がよいこと

  • 複数の案件に関わっている場合に、それぞれの部屋でBPRD宣言してそのログをぺたぺた貼るのが手間だった
  • リモート会議用の設備、ノウハウが充実するとよいのかなと思う。 スピーカーハウンリング対策、防音など。
  • 各人がどこにいるかわかりにくいので昼休憩とか休憩とかとる時に出社してても案件部屋で宣言したほうがよい
  • remoteで仕事してる人とは案件でつながりがないと、つながりが持てなくなってきたので全員出社日&17時以降はアルコールと食事をだしたゆるい集まり(BPStyle以外)みたいなことを一ヶ月に一度ほどやるのは有りだと思います
  • 個人としては、通勤を0にするのは気分的にも体力的にもよくないと思ったので、週に1〜2日は出勤する形か、午前中は自宅作業、午後は出社、のような働き方がいいな、と思いはじめている

Q. 今後はどれくらい使いますか?

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  • 53.8% たまに使う
  • 26.9% ちょくちょく使う
  • 11.5% ガンガン使う
  • 7.7% たぶん使わない

所見

制度使用状況

オフィスをみていると、60%くらいは出社しているというイメージでした。

週1回程度が53.8%、週2回程度が11.5%(合計65.3%)を占めているように、通勤とリモート勤務のバランスを取るという使い方になりそうです。

生まれた効果

以下のように様々なものがありました。

  • 時間の有効利用、精神的余裕
  • 仕事のしやすさ
  • 経済的余裕
  • 体調・健康面の余裕・向上
  • 家族
  • 制度の使いやすさ向上

制度の拡張によって、さまざまな価値が生まれたということが言えるのではないでしょうか。

デメリット

一方、生まれたデメリットとしては、運動不足になりがち、ずっと仕事をしている気分になるというものがありました。

こちらはチームや個人で時間をしっかり区切って仕事をする、通勤時間が無くなり、余裕が生まれた時間を運動にあてるなどの工夫が必要そうです。

今後について

短期的には問題が無くても、長期的に問題が発生する可能性があるので、引き続きうまく運用されているかを観察する必要がありそうです。

考えられるものは以下のようなものがあります。

  • コミュニケーション不足による認識のずれによる会社全体のアウトプット、品質の低下
  • 社内の仕事以外の人とのコミュニケーションが取りにくいため、知り合いが増えない
  • 動かないことによる不健康。精神面への影響

【関連】フリーアドレスの導入による社内環境の有効利用

リモート作業の割合が増えるにあたって、社内の席の有効活用を検討しました。

フリーアドレス制についてアンケートを取った所、相当数の「フリーアドレスでも良い」という回答を得たので、フリーアドレス制を今週から導入しています(15席)。

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BPRD2.0の本当の目的

仕事の場所、時間の使い方、チームとの関わり方、仕事の成果・生み出す価値、自分の体調管理、家庭、プライベートの時間... など。

これらにはすべて時間が関わります。

その時間の使い方について、自分たちで考え、バランスをとり、主体的に選択し、行動できる幅を大きくすることが、この制度の本当の目的です。

「オフィスに行かないといけないからオフィスで仕事をする」のではなく「自分で選択してオフィスで仕事をする」ということになります。

また、自分たちにさまざまなメリットが生まれている制度ですから、制度が存続するように、自分たちで協力し、工夫し、問題が発生しないように行動し、制度を洗練化させ、育てていく必要があります。

そのように日頃から主体的に行動してもらうことが狙いですが、ひきつづき経過を観察したいとおもいます。