日曜日の午前中。
ジムで走りながら、NHK杯テレビ将棋トーナメントの対局を最初から最後までみるのが、最近のわたしの流行りです。
わたしにとって印象深い解説があります。
2016年9月11日に放映された丸山忠久九段 vs. 村山慈明NHK杯選手権者(以降村山七段)の深浦康市九段の解説です。
深浦九段は、30歳前後の頃に「勝率7割の深浦」と紹介されていたそうです。
7割は高勝率ですが、深浦さんはその紹介がつらかったそうです。
なぜなら、そのように紹介されるのは、タイトルを取っていないから。
タイトルを取っていれば、タイトル名で呼ばれるからです。
そこで、その現状を打破するために、当時の守り中心の棋風を、おもいきって攻めに意識を変えたところ、タイトルに近づいたそうです。
なぜ深浦九段が自分の若い時の話を出したかというと、村山七段に同じものを感じたからです。
村山七段も、重厚な守り中心の棋風で、勝率は高いが、タイトルには恵まれていなかったそうです。
しかし、前回のNHK杯の村山七段は、違う人の棋譜かと見間違えるほど、積極的な指し手が増えたそうです。
その結果、2015年度のNHK杯テレビ将棋トーナメントをみごと制しました。
深浦九段と村山七段の話で共通するのは、踏み込んだ攻めへの意識。
一流の中でも、一流の実績をあげるためには、踏み込んだ「攻め」の意識が必要。
踏み込んだ攻めへの意識とは、単なる「攻め」に意識を向けるということではなく、
アクセルを踏み込んだ「攻め」の意識をもつということです。
攻めるということは、リスクと背中合わせです。
リスクを負うと「本当にお前にできるの?」「できなかった時の損失はどうするの?」という不安がよぎります。
しかし、そのような葛藤を乗り越えてはじめて新しい自分が現れます。
わたしも、約11年の会社経営の中で、攻めに転じた時期が何回か(おそらく4回)ありました。
今年は再び、攻めの年にします。
壊れても、失敗してもいいという覚悟で。