ビープラウドのあるメンバーに個別に紹介した書籍をブログでも紹介しておこうとおもう。

- 作者: 辻秀一
- 出版社/メーカー: フォレスト出版
- 発売日: 2014/08/29
- メディア: Kindle版
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ゾーンとはスポーツでいうと、例えば元巨人軍の川上哲治さんのように「ボールが止まって見えた」という状態。
仕事でいえば、取り組み始め気づいたら2時間経っていて、1日かかると思っていた仕事が終わってしまったなどの極度の集中状態がもたらす特殊な感覚のことである。
このように、なにごとでも没頭して取り組むことは、人の感覚・気持ちに幸せをもたらすといわれている。
この書籍では、ゾーンに入るための脳の働きを2つ説明している。
1つは認知脳。
周りの状況を観察し、認知し、意味付けしていく脳。
もう1つは、ライフスキル脳。
周りの状況にとらわれず、自分を集中状態(フロー、ゾーン)に持って行くための脳のはたらきである。
子供のときは、認知脳もライフスキル脳も育ってないので、本能から遊びなどに集中し、没頭し、楽しむことができる。
しかし大人になると、色々な経験をしたり、知識を得ていく中で、周りで起こっていることを認知し始め、認知脳が強くなる。
それにとらわれるほど、自分は揺らぎ、集中・没頭してものごとに取り組むことができなくなる。
その結果、仕事に集中・没頭し得られる楽しみ・幸せ・充実度(=人の本能)が次第に失われていく。
これは、たとえば、以下のようなケースに見られる。
ある会社に転職する。当初は、その会社の状況を認知していないし、周りの人が優秀にみえる。周りがみえていないので、仕事に集中でき、満足感を感じながら仕事をすることができる。しかし、その会社で日々働いていくうちに次第に周りがみえてくる。人の粗(あら)や欠点にも気づき、組織の悪いところもみえてくる。その結果、周りの状況にとらわれはじめ、不満を持ち、文句を言い、言い訳をつくり、環境のせいにして、自分のペースが乱れ、ネガティブになっていく。
これは人が本来持っている認知脳によるものだから仕方がないが、関わる誰にとっても幸せな状況ではない。
では、このようなネガティブな状況に陥らないためにはどうしたらよいだろうか。
ここでだいじなのが、ライフスキル脳である。
ライフスキルとは、周りの状況にとらわれず、集中状態に入ることで、仕事を楽しみ、成果を出し、自ら幸せになっていくための思考、考え方のスキルである。
スキルは「才能」「天性」「人格」などではないので、取り組み次第で誰でも身につけることができる。
書籍で紹介されている、集中するためのライフスキルをまとめておく(自分のためにも)。
自らの内面から湧き出る内発的動機から仕事をすると集中できる
- 得意よりも好きを大事にして考える
- 自らやると決める
- 不安や恐怖から来る外発的動機では集中できない(やらされている感覚では集中できない)
自分に自信をもつと集中できる
- まずは自分に自信を持つ(自分を信頼する -「Trust Myself」)
- 「成果が出てはじめて自信が持てる」というのは、認知脳の働き
一生懸命取り組むと集中できる
- 大人になると「一生懸命取り組むことは、しんどいことだ(だからほどほどに手を抜こう)」と勘違いして力を抜くようになる。
人の本能は、目の前のことに一生懸命取り組み、集中・没頭することで、楽しさと充実感を得て、幸福を感じることができる
→「楽」でないけど「楽しい」という状態(by @tokibito 2011年4月の和歌山高専の講義にて。→ わかやま新報の新聞記事の見出しにもなった。(記事は社内に極秘に保存) )
「今を生きる」と集中できる
- 過去を後悔したり、未来を不安におもうと、集中できない
自分がコントロールできないことは、頭の中から洗い出してしまうと、集中できる(ウォッシュアウト思考)
- 準備をしておくと集中できる(プリペアリング思考)
多様性・相違点を、容認できると集中できる(ディファレント思考)
- 認知脳を使って、あれは「正しい」、あれは「誤り」と認知する正誤思考は、その判断にとらわれてしまうので集中できない
周りに与えると集中できる
- 相手が喜ぶと、自分も喜べる。その結果集中できる
周りに敬意をもつと集中できる(リスペクト思考)
- リスペクトをすると、思いやりというパワーが生まれ、集中できる。
- あの人は、リスペクトに値する、あの人は値しないというのは認知脳の働きで、自分の心を相手に依存してしまっている
周りに感謝すると集中できる
- これは感謝に値する、これは感謝に値しないというのは認知脳の働き。感謝の心がないと人は文句をいい始める。文句を言い始めると集中できない。
人を応援すると集中できる
- スポーツチームを応援すると、自分にもパワーが生まれるのと同じ原理
ホワイトカラーと呼ばれる知識労働者(特にエンジニア、デザイナーなど)はこの自ら集中していくスキルにより、フローやゾーンに入り、成果を出していく考え方・スキルを身につけることをおすすめしたい。それが自分の人生の幸せ・充実度・成果につながるからである。それがひいては自分の周りをも幸せにすることになるだろう。
一方、会社としては、ビープラウドメンバーが集中し没頭できることで幸せを感じられながら仕事を出来る環境を日々整え、改善していきたいと思う。